ラオス巨大地下河川探検記

2017年、ラオスの友人から「川に大きな洞窟がある」と連絡が入った。

これまで友人のトーには数々の洞窟の情報をもらってはラオスに行き、探検をしてきたが今回の洞窟は今までのより大きい!と言っているので興奮気味。

だが流石に現地に行ってこの目で見てみないとわからない。

トーにリサーチを続けてもらい、どうしても早く下見がしたかった。っというのも他の国の探検隊に先を越されてしまったら未踏洞窟の探検家としてはどうしようもなくなってしまう。探検家とは「誰よりも早く先へ」これが全てなのだ。

それから後からの情報でどうも地下河川型の洞窟ようなのだ。そうなると大きい可能性が高い…

すぐにラオスに下見に出かけることにした。探検家はフットワークが軽い。

1カ月後、首都ビエンチャンから4WDの車に乗り込み、陸路で15時間~未舗装の道を含めて約500㎞ほど北上するとメコン川の支流に面した村に到着。ここから村の人にお願いしてエンジン付きの木舟に乗せてもらって川を20㎞~2時間~かけて遡上すると巨大な白い石灰岩の岩壁が見えて来て大興奮!やがて川が緩いカーブに入って巨大な岩壁が目の前に現れた瞬間!巨大な洞窟の入口があった。しかも木舟はそのままエンジンをうならせながら洞窟に入っていった。

もう船上で興奮しすぎてパニック状態だがしっかり観察!高い天井が続いていて巨大な空間がそこに存在していた。500mほど地下河川を遡上すると川はいったん行き止まりになっていた。

そこで岩棚に着岸して斜面を登って行く光が見えてきた。外の光?。。。近づくと緑あふれるジャングルの世界が広がっていて、そこは洞窟の天井が崩れた陥没口の底だった。見上げると数百メートルあるだろうか?岩壁がそそり立っていた。ここをベースキャンプにして奥を探検することに決めた。今回の下見はここまで!後ろ髪をぎゅっと引かれる感じで戻る。この洞窟をどうやって探検していくか?そのことで頭の中はいっぱいになっていた。

いったん帰国して作戦を立てて再びこの洞窟に戻ってくることにした。

地下河川の水が少ない方がより奥へ進めるので一年で一番!雨が少ない、地下水面が低くなる乾季の終わる3月!この洞窟の探検をすることに決めた。また帰国して間もなくNHKが同行することになり、探検とTVロケの準備を同時進行。ここでは書き切れない問題とハプニングを乗り越えて翌年、3月の最終週の出発の日を迎えた。今回、航空機で持ち出す装備、機材、食料の総重量は1トンを超えた。

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チェックインの手続きを開始してから完了するまで3時間ほどかかりようやく出国。首都ビエンチャンの空港に到着したら更に試練が待っていた。撮影許可の事が政府から空港に知らされていないようで空港で3時間の足止めされて、大きく時間をロスしてしまった。ここから4WDのジープ3台と荷物用の車両1台で現地に向かう。日付が変わり、到着したのは翌日の朝になってしまった。またここでも試練がまっていた。翌朝、日本の県知事のような役人に挨拶に行ったら~なんと!「政府から何の連絡も来ていないから許可は出せない」と言われてしまった。どうも自分に何も知らされていない事にすねているかのようだった。そこで貢物を持って明日!もう一度、お願いしてみようということになり、日本の病院のお見舞いの時に登場するフルーツの盛り合わせ系のお土産を買った。翌日に再度、ふんぞり返ったふてぶてしい役人のところに行ってみたら

お土産を見て~ニコニコ?!機嫌が良い。あっけなく許可をもらい村に戻って出発の準備を再開した。このあたりはTVではオンエアーされなかった部分。最後の最後に村の礼拝所のような場所に全員が連れて行かれて今度は全員で探検の安全をお祈りした。

これでやっと出発できると思ったら日暮れが近づいていた。

計画を立てて準備をしてそこに向かい、数々の問題を乗り越えて先の先、そのまた先へ

探検家の道のりは平たんではない。

著:吉田 勝次

洞窟探探検家 洞窟王

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